寂光院建礼門院800年御遠忌献茶式
―千 宗室家元奉仕―




  4月23日(火)、寂光院(京都市左京区)において、千 宗室家元の奉仕による建礼門院800年御遠忌の献茶式が執り行われました。
  同院は、推古2年(594)に聖徳太子が父、用明天皇の菩提を弔い、天下の安穏を願って創建されたと伝えられます。ご本尊は、六万体地蔵菩薩です。また同院は、壇ノ浦合戦において、源氏により一命を救われた建礼門院徳子が隠棲し、夫高倉天皇、我が子安徳天皇と、平家一門の菩提を弔い、余生を過ごした所です。後白河法皇が、大原の建礼門院のもとを訪ねる『平家物語』の大原御幸の段は、諸行無常を象徴する場面として、多くの人々に受け容れられてきました。
  午前10時30分、家元は本堂に進まれ、点前座に着座。千 敬史様、千 万紀子様、伊住公一朗様、参列者の見守る中、濃茶一碗・薄茶二碗を謹点、濃茶をご本尊に、薄茶を阿波内(あわのない)()像と建礼門院像にそれぞれ捧げられました。




  献茶式に際して、寂光院の茶室「孤雲」に薄茶席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。
この「孤雲」は、昭和天皇の即位の大礼の際に使われた部材をもって造られ、昭和6年3月に淡々斎宗匠によって献茶式が行われ、茶室披きをされたという裏千家と縁の深い建物です。


薄茶席(孤雲)