東大寺献茶式
―千 玄室大宗匠奉仕―




  平成27年5月3日(日)、華厳宗大本山東大寺(奈良市)において、千 玄室大宗匠奉仕による献茶式が執り行われました。この日は聖武天皇の「山陵(さんりょう)(さい)」にあたり、大仏殿を出発した東大寺一山の僧侶が聖武天皇の佐保山南陵に参拝をされ、大仏殿に戻られると献茶式が始まります。
  同寺の本尊は廬舎那(るしゃな)大仏(だいぶつ)ですが、一般には「奈良の大仏」としてよく知られています。聖武天皇が皇太子(もとい)親王の菩提を修するため神亀5年(728)に建立した金鐘(こんしょう)山寺(さんじ)がその始まりとされます。そののち、天平15年(743)10月、同天皇により「廬舎那大仏造顕(ぞうけん)(みことのり)」が近江紫香(しが)(らき)(のみや)で出され大仏の造立が開始されますが、一時中断し、平城京の金鐘山寺の地で再開されます。天平勝宝4年(752)4月には完成した大仏の開眼供養が盛大に行われました。
  午前11時大仏殿に入られた大宗匠は、一般社団法人奈良県茶業会議所より奉納された新茶を挽かれた後、濃茶・薄茶二碗を謹点。ご本尊に捧げられました。




  献茶式に際して、本坊奥之間に今日庵担当の拝服席、大仏殿西庭集会所に細見美術館担当の副席、真言院境内の勧学院に上野道善氏担当の東大寺席、大仏殿東回廊に奈良青年部担当の施茶席が設けられ、原田 収今日庵老分をはじめとする参列者に一碗が呈されました。


拝服席(今日庵担当) 副席(細見美術館担当)


東大寺席(上野道善氏担当) 施茶席(奈良青年部担当)