唐招提寺献茶式
―千 宗室家元奉仕―




  平成27年9月27日(日)、唐招提寺(奈良県奈良市)において、千 宗室家元の奉仕による献茶式が執り行われました。
  同寺は、南都六宗(なんとりくしゅう)の一つである律宗(りっしゅう)の総本山です。奈良時代の日本に戒律を伝えるため来日した(がん)(じん)和上(わじょう)は、東大寺にしばらく滞在した後、天武天皇の皇子新田部(にたべ)親王(しんのう)の旧宅地を下賜され、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。これが同寺の始まりです。毎年、中秋の名月の日には、「観月讃仏会(かんげつさんぶつえ)」が催され、和上とともに名月をめでる法要が金堂で行われることから、同寺での献茶式は夕刻から始められます。
  午後6時、家元は、千 敬史様、伊住禮次朗様とともに御影堂(みえいどう)に入られ、点前座に着座。蝋燭の明かりのなか、濃茶・薄茶二碗を謹点。国宝の鑑真和上像と名月に捧げられました。




  献茶式に際して、奈良支部(松久保秀胤支部長)担当の呈茶席が新宝蔵前芝庭に設けられ、月明かりの下で参列者に一碗が呈されました。