円覚寺献茶式
―千 宗室家元奉仕―




  平成28年10月3日(月)、円覚寺(えんがくじ)(神奈川県鎌倉市)において、千 宗室家元の奉仕による献茶式が執り行われました。
  同寺は、文永・弘安の役による双方の戦没者を弔うため、弘安五年(1282)執権(しっけん)北条(ほうじょう)時宗(ときむね)を開基とし、中国の臨済僧無学(むがく)祖元(そげん)(仏光国師)を開山として創建されました。禅師の門流からは高峰(こうほう)(けん)(にち)()(そう)()(せき)など臨済宗の高僧を輩出しています。ご本尊は宝冠(ほうかん)釈迦如来です。山内の(ぶつ)(にち)(あん)は時宗の廟所(びょうしょ)として知られ、南北朝時代の同院の所蔵品目録『(ぶつ)(にち)(あん)公物(こうもつ)目録(もくろく)』(重要文化財)は、中国大陸からの渡来品である唐物(からもの)の研究には欠かせない史料となっています。
  この日は開山国師の毎歳忌。法要に続き、午前11時、家元は敬史様、万紀子様とともに仏殿に進まれ、点前座に着座。多くの参列者の見守るなか、濃茶一碗を謹点。開山国師に捧げられました。




  献茶式に際して、如意庵に相模支部(永保固紀支部長)担当の濃茶席が、松嶺院に小田原支部(飯沼寛雄支部長)担当の薄茶席が設けられ、上野 孝関東第三地区地区長をはじめとする参列者に一碗が呈されました。


濃茶席(相模支部担当) 薄茶席(小田原支部担当)