淡交会関東第三地区
特別茶道文化講演会
〜伊住宗晃宗匠を講師に迎えて〜


  7月18日午後、鎌倉市大船にある鎌倉芸術館において、淡交会関東第三地区(上野 豊地区長)の特別茶道文化講演会が行われ、伊住宗晃宗匠が講師を務められました。
夏の強い日差しが注ぐ昼下がり、古都・鎌倉に地区内会員約1500人が参集し、伊住宗匠のお話を傾聴しました。


会場の鎌倉芸術館外観 ホール入口前の回廊から臨む中庭


●『日本的-』と題して
  伊住宗匠は、日本的なるものの“構造”についてつまびらかに語られ、「一つの前提となるのは四季の移ろいがある自然の環境であり、もう一つは美しい言葉の表現です。
  現代の住環境は、庭や床の間など日本的なものをすっかり変えてしまい、四季の移ろいを身近に感じさせる装置が無くなって危機的状況であると感じています」と話し始められ、日本的なものの象徴としての茶室についてさらに深く洞察。
  “間・ちぢみ・見立て”をキーワードに、「茶室に凝縮された、小さな空間、不完全なものの中でのイマジネーション豊かな楽しみ方にこそ、日本的なるものがひそんでいるのではないか」と語りかけられました。
講演される伊住宗匠






  また、古来尊ばれてきた“和”にも言及。「取り合わせの中でほどよく主張する道具たちのように、物事を対立軸で捉えず、互いが生かし合う、環境に寄り添いまとめつないでいくという日本のよさを伝えていきたいものです」と結ばれました。

  伊住宗匠の講演に先立って、鈴木宗幹業躰による講演が行われ、「天目茶碗─書院の茶から草庵へ─」と題して、スライドを示されながら、天目茶碗の系譜などわかりやすく解説。
地区内会員たちにとって、貴重で有意義な講演会となりました。


開演の挨拶をされる馬本克美副地区長 伊住宗匠の講演に熱心に聴き入る会員たち