伊住宗晃宗匠 加賀市茶道ワークショップでご講演
茶道の心を分かりやすく
子どもたち、楽しくお点前、お菓子作りにチャレンジ


  8月9日、伊住宗匠は、加賀市市民会館で開催された「加賀市学校茶道ワークショップ」(加賀市教育委員会主催)に臨まれました。
  加賀市(大幸 甚市長)は、茶道を始めとする日本の伝統文化を通じ、次代を担う子どもたちが、郷土を理解するとともに、美しいマナーを身につけることを目的に、伊住宗匠をお迎えしての「加賀市学校茶道ワークショップ」を開催。今回で7回目を迎えますが、毎回違った切り口で、子どもたちは興味津々。
  夏休みで真っ黒に日焼けした児童やこの日のために一生懸命にお稽古に取組んできた子どもたちは、バスに分乗し元気よく来館。

この日の会場となった加賀市市民会館


  この日、大幸加賀市長が京都から加賀入りされた伊住宗匠を淡交会石川南支部会員ととともに出迎えられ、伊住宗匠と歓談。和やかにワークショップが始まりました。
  市民会館2階ホールで大幸市長のご挨拶の後、児童は真剣な表情で伊住宗匠の講演を聴講。その後、席入り、お軸の拝見の仕方や茶花の鑑賞の方法を学んだりしました。

大幸 甚・加賀市長のご挨拶


講演される伊住宗匠


伊住宗匠の講演を行儀よく熱心に
聞き入る児童たち


  「今、皆さんが勉強されているお茶の形を作った人が、『千 利休』という人です。その人から数えて15代。約450年間続いてきたお茶の家元に僕は生まれました。
  人間が社会の中で、人と付き合っていくためには、『ルール』や守っていかなければならない『約束事』があります。私の子どもの頃、おばあちゃんには、朝、『おはようございます』とはっきりと言わないと怒られました。いろんなことを教えてあげようと叱ってくれたのです。
  礼儀作法を身につけることは、大事なこと。『こんにちは』『ありがとう』などの気持ちは、黙っていても伝わりません。伝え方には、さまざまな方法がありますが、『形』というのは、大事なことです。そういうことをこのお稽古の中で学んでください」
  伊住宗匠は、お茶の歴史・形の意味など小学生にも分かりやすいように話されました。

  つづいて、児童たちは、お茶室に移動。
  お茶を頂くお稽古では、時折、先生から「背筋をまっすぐに」、「隣の人にお先に」とのアドバイスを受け、緊張の様子。伊住宗匠が、児童の緊張をほぐすように、ユーモアを交えながら、児童の席に移られ、お辞儀の仕方やお菓子のいただき方を指導。児童の顔には笑みも浮かび、大変貴重な機会となりました。

茶室にて伊住宗匠がやさしく指導 「お先に頂戴します」と元気よく

  今回の参加校は、加賀市内の三木・湖北・動橋・勅使の各小学校の児童34人と保護者。
  また、カナダ・ドイツから訪日中の方が参観。
  お茶室の中に漂う独自の静寂な雰囲気の中に日本的なものを発見するとともに、児童らを指導される伊住宗匠のお話に熱心に耳を傾けていました。
加賀市教育委員会の皆さんと海外からの参加者


  児童は、『お点前』『お茶をいただく』『お菓子作り』の3コースに分かれ、30分ずつ交代しながら楽しく受講。
  夏休みを利用しての茶道ワークショップに参加できた喜びは、児童の心の中に、永遠に生きつづけることでしょう。

和菓子づくりにチャレンジする児童たち