第12回世界精神医学会 横浜大会
お家元が基調講演
茶のもたらす精神的効用をわかりやすく


  8月24〜29日、横浜市西区みなとみらいにあるパシフィコ横浜(横浜国際平和会議場)において開催された第12回世界精神医学会横浜大会で、千 宗室家元が基調講演をされました。
  同大会は、世界各国の精神医療や保健福祉関係者が一堂に会し、その研究成果を発表するもので、東アジアでの開催は初めて。今大会は「手をつなごう 心の世紀に」をメイン・テーマに、精神保健福祉の増進と精神疾患の治療に関わるすべての問題について、世界各国の政府、当事者および専門家・関連企業が相互に協力しあい、精神医学の向上と差別や偏見のない社会の実現を目指して、140ヶ国から約1600人が参加、シンポジウム、フォーラム、ワークショップなど様々に展開されました。

  お家元の講演会は、26日午前8時40分よりメインホールで行われ、佐藤光源・日本精神神経学会理事長より紹介があり、お家元がご登壇。

●基調講演
  はじめに、心の安定や落ち着きをもたらす茶道の事例を話され、茶の効用を説明。
  坐禅や仏の教えの中にある東洋的な理念・精神性について、「自分だけというのではなく、相手を信頼し、自らを癒し安定した心を持つべきではないか」と語りかけられました。
  さらに、茶道は、禅の教えに基いて「和敬清寂」という理念を掲げ、自己を律し人間性の安定を目指してきたと指摘。「ストレスが蔓延している現代社会にあって、茶道はまさに心を癒してくれるものなのです」と結ばれました。

  約50分の講演後、お家元は大会会長のファン・L・イボール氏より感謝状を受けられました。

  また、同大会では26、27日の両日、茶英会による呈茶席が設けられ、世界各国からの参加者が一碗を楽しみました。


講演される家元 感謝状を手に…

イボール会長と歓談 会場のパネル展示

茶英会による呈茶席のにぎわい