第62回日本公衆衛生学会総会で
千 宗室家元が特別講演

〜『禅の心、茶の心』と題して〜


  千 宗室家元は、10月22〜24日、京都市で開催された「第62回日本公衆衛生学会総会」で特別講演をされました。



  日本の公衆衛生の向上を図ることを目的とする同会は、大学や行政機関などで公衆衛生活動に従事する約7,000人の構成員を擁しており、京都での30数年ぶりとなる総会には数千人が参加。今回は、新しい試みとして市民公開講座を開催することになり、家元が特別講演を行われました。


                  講演される家元
聴講する学会参加者、一般市民              


  22日午前9時、国立京都国際会館メインホールにおいて、一般市民を含め約2000人が聴講するなか、総会の開会式に続いて、中原俊隆学会長による基調講演の後、家元が登壇。
  特別講演は、『禅の心、茶の心』と題して約1時間。

  家元は「禅も茶も中国から渡来した文化ですが、大陸を渡り海を越えてきた様々な文化は島国である日本に留まり、成熟度を高めたのです」とされ、茶道の“わび・さび”、茶道と禅のつながりについて語られ、さらに、「行も亦禅、坐も亦禅という言葉があります。行すなわち毎日生きていくことを通して、学ぶことはたくさんある。茶道の一期一会とは、毎日目の前に現れる一日を受け入れ、楽しむ努力をするという気持ちからつながっていくもの。そうすれば、周囲の環境にイライラしたり、自分の気持ちが左右されることがなくなって、心の健康につながっていくのではないでしょうか」と話され、場内を埋めつくした聴衆は熱心に聴き入っていました。