まず、『平常心是道−心を耕す−』と題する基調講演。
家元は、人間が自然を管理できるわけがないという思いを話され、時折ユーモアを交えながら、「朝起きたらまず窓を開け、その日と出会う。暑くても寒くても、その日一日をあるがままに受け入れようとするところから、自分の傲慢さを知ることになる。平常心とは、あるがままの心ということ。本来の自分の中にある平常心を素直に見るために、身近な自然と向き合うところから始めてはどうでしょうか」と語りかけられました。
引き続いて、『木の国を生かすために、今』をテーマにパネルディスカッションが行われ、パネラーを家元、法然院貫主の梶田真章師、ハウジングオペレーション代表の石出和博氏の3氏、進行役はアウトドアライターの天野礼子氏が務められました。
「森をたてる」という構想に対して、パネラーがそれぞれ意見を披瀝。石出氏は日本の林業と住宅産業の現状を報告。梶田師は「我々は見返りがほしいと思って何かをする。が、生きていること自体もらっていることであり、あとは返していくしかない。それが布施ということ。考えるだけでなく行動を」と話され、家元が「のちの人に対して優しい思いやりをもってプレゼントをするのは大切なこと」と結ばれ、拍手をもって終了しました。 |