淡交会青年部北海道ブロック研修会
鵬雲斎大宗匠特別講演会




  5月8日(土)・9日(日)、鵬雲斎千 玄室大宗匠は淡交会青年部第33回北海道ブロック研修会の講師として、北海道釧路市を訪問されました。大宗匠がブロック研修会の講師として出席されるのは極めて異例。全道各地より青年部会員は勿論のこと、地区内各支部役員・会員460名余が一堂に会し、賑やかかつ有意義に意気上がるブロック研修会となりました。
  8日(土)午後に開会。まず関根秀治・淡交会専務理事が基調講演を行いました。続いて全国大会での積極的なエントリーを促すことを目的とする研修が行われ、原昌三全国委員長、松隈隆和副委員長からの助言や、昨年の全国大会でノミネートされた3青年部より事例発表が行われました。




  夕刻には、鵬雲斎大宗匠が鎌倉大仏献茶式を終えられ釧路入り。伊東良孝釧路市長、北村直人衆議院議員をはじめとする来賓、また中野友雄今日庵老分、北川日出治北海道地区長、坂本眞一副地区長(特別参事)、釧路支部・清水幸彦支部長をはじめとする淡交会役員会員が迎えるなか、釧路全日空ホテルでの「大宗匠を囲む懇親会」に臨まれました。

岡部ブロック長と
いちい青年部・佐藤部長を激励
釧路支部加勢幹事長と
いちい青年部メンバー


  16年ぶりの釧路訪問となった大宗匠は、懇親会で参加者と親しく交流。各卓をまわり記念写真にも応じられたほか、北海道における淡々斎宗匠との思い出や、日本青年会議所会頭時代の北海道訪問の記憶をなつかしく紹介され、宴は大いに盛り上がりました。


大宗匠を囲んで記念写真





  翌9日、大宗匠はまず釧路支部担当の薄茶席に入席されました。


釧路支部呈茶席


  「一碗の茶から平和」と題した特別講演会は一般市民にも開放され、約850名の聴講者がありました。まず、母の日にちなみ、母親の愛と寛容について自らの体験を引きお話されました。そして、家庭での躾や親としての責任が曖昧にされている昨今を憂い、親子関係の重要性について言及されました。




  また、ご自身が主宰されている「和の学校」の成果を踏まえ、日本の伝統文化、とりわけ茶道の果たす役割とその大きさに触れられました。更に、淡交会における後継者育成のためには、青年部は親を頼み、親も愛情をもって青年部を導くよう強調。親子、学校、職場等ありとあらゆる場で「の」の関係―親と子、でなく親の子、子の親の関係を育み、一碗のお茶を日本のために、世界の平和のために活用いただきたいと締めくくられました。
  講演後、岡部裕子北海道ブロック長が大宗匠の経歴を紹介しつつ謝辞を述べ、大宗匠は満場の拍手の中、釧路をあとにされました。




  その後、後藤宗国業躰が「且坐之式」を解説。会場前には体験コーナーも設けられ、一般参加者が興味深く茶を点てる姿が印象的でした。
  地元新聞も大々的に大宗匠の訪問を取り上げ、反響の大きさを物語りました。