千 宗室家元がパネルディスカッションに出席
NPO法人 和の学校の初のシンポジウム「伝統文化とこれからの社会」




  爽やかな春の好日となった3月25日、京都市左京区の国立京都国際会館でシンポジウム「伝統文化とこれからの社会」」が開催され、千 宗室家元がパネリストとして出席されました。

  「和の学校」は、千 宗室家元の実弟の故伊住宗晃宗匠が、忘れかけている日本の伝統や美意識、暮らしの知恵などをともに学ぼうとインターネット上のホームページで「和の学校」を開校し、衣・食・住、季節や自然など「和」の文化とそれにかかわる人々を紹介。伊住宗匠の遺志を生かすものとして、平成16年1月に特定非営利法人(NPO法人)「和の学校」として設立し、広く会員を募り、活動しているもの。


伊住弘美様・主催者挨拶


  シンポジウムは会館アネックスホールで開催。広い会場は、800人もの聴衆で一杯となりました。第一部で、伊住弘美様が主催者の挨拶をし、その後宗教学者の山折哲雄氏が『「睨む、手を握る、掌を合わせる」─1メートル四方の人間関係─』と題して特別講演し、その後に能楽金剛流の金剛永謹家元一門が能、「羽衣」を披露しました。




  第二部では、千 宗室家元、歌舞伎俳優・市川團十郎氏、そしてIT企業の大川弘一社長をパネラーに、コーディネーターとしてニュースキャスターで自身も茶道の稽古をされる草野満代氏の4人により伝統文化の継承などをめぐって活発な討論が行なわれました。
  討論で家元は、「茶道は、“ほど”の良さを学ぶという文化です。分をわきまえて、自分にとって本当に大切なものは何かと見極めて、その中で楽しさを見つけること」と語られました。市川氏は歌舞伎俳優の立場から、大川氏は、IT企業活動と文化の両立について、また草野氏は茶道の稽古での体験についてそれぞれ語られました。








  シンポジウム終了後は、出演者、関係者、会員らの懇親パーティが開催され、和やかな雰囲気のうちに終了しました。