千 玄室大宗匠 同志社大学体育会航空部75周年記念講演




  10月22日(土)、京都全日空ホテルにおいて同志社大学体育会航空部75周年記念式典が開催され、千 玄室大宗匠が「私の飛行経験」と題して講演されました。
  昭和18年、日本では戦局の悪化にともない在学中の学生の召集が始まりました。当時、学生であった大宗匠は自ら志願され、琵琶湖畔にある天虎飛行訓練所の第一期生試験に合格。同地において同志社大学の航空部員7名を含む多くの学生とともに厳しい飛行訓練を受けられました。戦時下にあって辛苦をともにし、互いに深い友情を育まれた縁から大宗匠は現在、同志社大学航空部の特別会員となられています。




  記念講演では航空部OB会「翔友会」の小野 哲名誉会長の挨拶に続き、大宗匠が登壇。戦争中の飛行訓練にふれつつ、「当時、天虎飛行訓練所には藤本 直という有名な所長がおりました。ある時、同乗した私に操縦桿捌きを見せ、“帛紗捌きと同じように柔らかく”と教えられたことが忘れられません。私たちの時代には誰も彼も、恐かろうが何だろうがとにかく飛行機に乗ることが求められました」と話され、「この平和な日本の空で操縦桿を握ることができることは素晴らしいことです。ぜひ、一碗のお茶で心を落ち着け、明鏡止水の心で大空に技を競い合ってください。皆さんが良い風を受けて、良い飛び方ができることを願っています」と結ばれました。
  講演終了時には会場につどった来賓、航空部卒業生、航空部員から大宗匠に大きな拍手が贈られました。