大宗匠、日本ペンクラブ例会にて講演


  平成27年10月3日(土)、上京区の平安女学院を会場に2015年 日本ペンクラブ京都例会が行われ、千 玄室大宗匠が同クラブからの依頼により特別講演をされました。




  午後2時、同院の室町館Mホールへ集った170名以上の参加者を前に、大宗匠は「お茶の心 和敬清寂」と題した講演をされました。陸羽の『茶経』、趙州和尚「喫茶去」の精神、栄西禅師の入宋といった茶の歴史や、大宗匠自身が戦後間もなく渡米した際にロックフェラー夫妻から受けた心温まる一碗のもてなしのエピソードなどを紹介されつつ「何の区別もなく一碗のお茶を“お先に”、“いかがですか”と勧め合う和の心が、今こそ欠かせません。最近は何でも口にしてはすぐに“あ、旨い”と言い、皆で共に“味わう”ことが疎かになっている世の中ですが、ゆったりとお茶をいただくことで“真味”を感じていただきたいと存じます」と結ばれました。




  講演後に会場を同院の有栖館(有栖川宮旧邸)の庭園へ移して懇親会が行われ、館内には大宗匠の厚意で今日庵業躰部による呈茶席が設けられました。裏千家と同院による伝統文化研究センターの講師らが点前やお運びを担当し、日本ペンクラブ会長で作家の浅田次郎氏や哲学者の梅原 猛氏らへ一碗を呈しました。