山形市にある山形テルサにて行われた講演会では、長谷川吉茂 山形銀行頭取(今日庵老分、淡交会 東北地区長、同山形支部長)による挨拶、岡崎CEOの主催者挨拶の後、家元が登壇。
自身が訪れた宿泊施設を思い起こしながら、「茶道では、相手の気持ちを察するため、その日に客がたどる導線を亭主自らが歩いて目線を知る努力をします。宿泊業のオーナーは、自身のホテルに何度か泊まってみて、お客さまの目線から、何が必要で何が不必要なのかを感じ取ることが大切です」と思いを語られました。「おもてなしは、サービスする側のものだと思われがちですが、双方が対等で、互いが謙虚にならなければ成り立たないもの。お迎えする側の人は、ただ客の気持ちになって支度し、満足して帰っていただくことだけを考えれば良いですし、迎えられる側の人は、視界に入るスタッフだけではなく全ての従業員が自分を迎えてくれていることに有り難く感じ入ることが必要です。山形は歴史と新しく開発したものが良いように混在している素晴らしい町。お迎えする皆さまには決して背伸びせず身の丈にあった思いやりの心で、来ていただいた方々をもてなし、それぞれが謙虚な気持ちで自分の立場をしっかりと心得ていれば、人間関係を潤いのあるものにできると思います」と結ばれました。
講演後、蔵王にある系列ホテルのタカミヤヴィレッジホテル樹林を会場に、山形支部による呈茶席が設けられ、参加者は一碗を楽しみました。 |