大宗匠、舞鶴地方隊65周年にて講演


  平成29年5月21日(日)、海上自衛隊舞鶴地方隊創設65周年記念講話が開催され、千 玄室大宗匠は「私と海軍 ―お茶の心―」と題した講演をされました。

  舞鶴地方隊は、昭和27年に海上自衛隊の前身である保安庁警備隊の発足と同時に新編されました。担当区域の警備や災害への対応をする一方、艦艇の一般公開や音楽隊による演奏会など、市民との間に理想的な共存関係を育んでいます。大宗匠は、創設50周年の節目にも記念講演をされました。

  大宗匠は舞鶴到着後、昼食会のため東郷邸(舞鶴鎮守府初代長官の東郷平八郎 海軍中将が過ごした官邸)を訪れ、その後、イージス艦「あたご」に乗艦、見学されました。


東郷邸 イージス艦「あたご」


  午後からは舞鶴市総合文化会館を会場に、舞鶴地方隊創設65周年講話が音楽隊の演奏によって開会。記念式典の後、講演会にて大宗匠が登壇されました。自身が経験した海軍時代のことなど語ったうえで、「千 利休居士は茶室に小さい躙り口を造られた。これは、帯刀を許さず、低頭して入り、一碗のお茶を差別区別なく互いに勧め合いいただくという精神の表れです。お茶をいただく時に茶碗の正面を避けるのは、謙虚な気持ちで自分を顧みるためです。そうしたお茶の心が日常の中にあれば和やかな気持ちになり、争いは起きません。一つ一つは小さいことかもしれませんが、この心が広がれば戦いの無い素晴らしい世界になると思います。自衛隊の皆様は、身を挺して国を守るため日々訓練を積み重ねていらっしゃいます。そのことに敬意を表し、皆様のご多幸をお祈りします」と結ばれました。




  講演に先立ち、淡交会両丹支部(小西 剛支部長)による呈茶席が設けられ、来場者が一碗のお茶を楽しみました。