大宗匠、世界連邦日本大会にて記念講演


  平成30年8月18日(土)、京都府亀岡市にあるガレリアかめおかにおいて「第34回 世界連邦日本大会2018 in亀岡」が開催され、千 玄室大宗匠が「世界の人とともに−和の心−」と題し記念講演をされました。




  世界連邦運動は、国家間の紛争や環境問題など一国で解決できない地球規模の課題を扱う民主的な政府を実現する活動で、アインシュタインや湯川秀樹氏といった世界の多くの科学者が構想に携わり、日本では原爆の投下をきっかけにその活動を具体化させてきました。大宗匠は、(財)生涯学習亀岡財団初代理事長を務めた千 登三子奥様の遺志を継いで平成11年から23年まで2代目理事長を務め、現在は(公財)生涯学習かめおか財団名誉顧問を務めている立場から、今回の講演を引き受けられました。
  壇上に立たれた大宗匠は、日本の歴史を「明治維新によって世界に目を向けた。そして、世界に目を向けることによって、自国の素晴らしさを見直せたのです」と話され、「人間は自己中心的に物事を考え行動するために、争いが起きます。お互いが半歩でも下がり、己を顧みることができたのなら、衝突しません。譲り合う心があれば、互いに歩み寄る心が生まれる。それを茶道は『情』によって教えるのです。ここに集う皆様が、お茶の心を理解し伝えていくことができたら、自ずと平和は訪れるはずです。世界連邦がお茶の心をもって、多くの成果を挙げられることを期待しております」と結ばれました。

  講演前には、野村宗周氏(淡交会京都南支部幹事長)と亀岡青松会(亀岡青年会議所茶道同好会)による呈茶席が設けられ、参加者に一碗が呈されました。