第14回裏千家男子組講習会・第14回裏千家学生セミナー
炎暑の3日間、自分を見つめ直す


  36℃を超える猛暑の中、7月26日から28日の3日間、宗家において第14回裏千家男子組講習会、第14回裏千家学生セミナーが開催されました。
  男子組講習会は、「男性茶人の育成」を目的に、千 宗室家元の提唱により昭和62年(1987年)にスタート。今年度は北海道から沖縄まで20代から70代の男性24人が参加。また、学生セミナーにも全国各地から短期大学・大学・大学院に在籍の学生・院生51人が受講しました。

兜門前

  26日午前、利休御祖堂参拝の後、伊住宗晃宗匠ご臨席のもと、茶道会館二階大広間において両講習会合同の開講式が執り行われました。
  伊住宗晃宗匠は、世阿弥の『離見の見』の言葉を引用され、「改めて自分を見つめ直すことが大切です。それだけに心に余裕が求められます。自分自身に挑戦する気持ちをもって稽古に取り組んでください。」と述べられるとともに、「暑さや足のしびれなどと戦うことは、今夏の厳しい暑さの中での貴重な体験です。気持ちだけは厳しくもち、自分に素直に正直にいることも稽古の基本です。少しでも上を目指して挑んでください」と励まされました。

伊住宗晃宗匠による開講式のご挨拶

  それに応え、受講生を代表して日本大学の本塚ひろみさんが「誓いのことば」を述べ、講習が始まりました。

誓いのことばを述べる本塚ひろみさん

高橋宗健業躰講師による実技指導

  講習は9班に分かれ、午前9時30分から昼食をはさみ午後4時まで実技講習。男子組は風炉についての講習、学生は割稽古から基本点前・小習事の講習で、3日間、真剣そのもの。



  28日の閉講式には、千 宗之若宗匠がご臨席。受講生を代表して学生セミナー・宮田千草さん(麗澤大学大学院)と男子組・福田修二さんが、若宗匠から修了証を拝受。

閉講式で修了証〈(左)学生セミナー・(右)男子組〉を授与される若宗匠

男子組の大原洋二さんから謝辞を受けられる若宗匠

  若宗匠は、閉講式ご挨拶で『行雲流水』という言葉を引かれ、「この三日間、皆さんは雲の姿になり水の姿になり、ちぎれたりしたかと思います。共通する思いは『足が痛かった』『暑かった』ことだと思います。それでも、三日間辛抱されました。本当にご苦労様でした」と受講生を労われました。

  さらに、「修了証の中に、皆さん方のこの三日間の時間をしっかりと入れ込んであると思ってください。そして、今後とも何かを身につけようと思い立ったときには、私が今日話したことを思い出し、しっかりと自分で自分の目の前にあるものに触れ、自分の中で熟成させていかれることを期待します」と今後の修道の指針を示されました。

  最後に、男子組の大原洋二さんが謝辞を述べました。
  講習を修めた受講生の表情は充実感に満ち、これからの修道への清新の気が伝わってきました。