第3回宗家特別講習会−行之行台子研究−

徹底して坐学に励む

  6月16、17日、宗家において第3回特別講習会が開講され、日本全国から79人の受講生が参加しました。千 宗室家元の指導方針「よい先生の育成とそれに伴う良い社中づくり」に基づき、昨年新しく開講されたこの特別講習会も第3回目となります。
徹底した坐学の講義が2日間にわたって行われ、受講生たちはそれぞれの疑問を解くべく熱心に取り組んでいました。





  家元臨席のもと、16日午後1時から茶道会館において開講式が行われました。
  家元は「良い先生とは、社中の疑問に対して明確な答えを出せる先生です。ここでは徹底して坐学を指導しますので、皆さん方の社中一人ひとりに教え、正しい茶の道を伝えていっていただきたい」と、本講習の目的を語られました。


開講式 家元挨拶


  開講式に続いて、会場を裏千家学園講義室に移して、講義が行われました。
  家元より、台子の意味合い、八卦について、道具の取り合わせなど、「行之行台子」に関して様々な角度から講義を展開、受講生らは一言も聞き漏らさないようにと、メモを執りながら聴き入っていました。


講義される家元


熱心に学ぶ受講者 スライドによる道具説明


  翌17日、利休御祖堂参拝を済ませた受講者は、茶道会館において朝礼後、早速点前解説が行われました。




解説される家元


  家元指導のもと、台子の組立から水屋の準備に始まり、業躰講師による基準点前がゆっくりと順を追って行われ、随所でこと細かく説明。受講者らは熱心に拝見し、終了後は挙手で質疑応答の時間が設けられました。受講者が日ごろの疑問を投げかけ、家元が逐一丁寧に答えられ、時間の経つのも忘れるほどで、和やかな雰囲気に包まれて終わりの時間となりました。

  引き続いて昼前、閉講式が行われました。
家元より受講者を代表して塩見宗邑氏(札幌第一支部)が修了証を拝受し、謝辞を述べました。
家元は、「皆さん方と、そのお社中にこの講習を差し上げたのです。どうか良く伝えていってください」と、労いと励ましの言葉を贈られました。