平成15年癸未歳 東京初釜式

格調高く祝詞を交わす賀客ら3000人


  京都での初釜式に続いて、平成15年癸未歳の新春を寿ぐ東京初釜式が、1月16日から新宿区市谷加賀町の裏千家東京道場で始まりました。千 宗室家元が、第16代家元を継承されて初めての東京初釜式は、新春と家元継承の祝意に満ち、穏やかな新年の始まりとなりました。式場の茶室・咄々斎には、曙椿と鶯神楽、正親町天皇の「松の歌」と結び柳が飾られ、賀客らは、気品あふれる新春の訪れを象徴するしつらいの中、心づくしの一碗を楽しまれました。







坐忘斎千 宗室家元、家元継承後、東京道場で初めての初釜式
小泉純一郎首相ら閣僚が参列され、華やかに

  1月16日、午前9時30分からの第一席には、淡交会理事の内海 倫氏、渡部恒三衆議院副議長、菅 直人民主党代表、NHK会長の海老沢勝二氏、小堀宗実遠州流家元、川上閑雪江戸千家家元、田中仙翁大日本茶道学会会長ら41人が参列。坐忘斎千 宗室家元が、一碗に本年の安寧と弥栄の願いを込め、賀客をもてなされました。

  午後2時30分からの茶席には、小泉純一郎内閣総理大臣、浜四津 敏子公明党代表代行、扇 千景国土交通大臣、福田康夫内閣官房長官はじめ閣僚の方々、各界代表の方々45人が参列されました。

  羽織袴の小泉首相から坐忘斎家元に、家元継承についてのお祝いと「最初の一碗をよばれることが出来て光栄です」との言葉が述べられ、玄室大宗匠の運ばれた濃茶を順服、道具の取り合わせ等について小泉首相が尋ねられると、坐忘斎家元が伝来や扱いについて丁寧に答えられるなど、初春にふさわしい和やかな席となりました。
  初釜式の感想について小泉首相は「最高だったよ」と、『茶道のススメ』を説かれた首相らしい感想を披露。




  初日には、石原伸晃行政改革・規制改革担当大臣、倉田寛之参議院議長、また相沢英之氏、高村正彦氏、小坂憲次氏、塩崎恭久氏、中曽根弘文氏、平井卓也氏、小野清子氏、中川昭一氏、浅尾慶一郎氏、田村秀昭氏、鳩山由紀夫氏ら多数の国会議員の方々、阿川弘之氏、津本 陽氏、黒川紀章氏はじめ各界を代表する多くの方々やオーストリア、メキシコ、ペルー、ローマ法王庁、タイなどの駐日大使ら在京外国大使館からも多数の来庵があり、新春を寿ぐ一日となりました。
  また、祝膳席の翔鳳の間では、寿ぎのしつらいのなか、千玄室大宗匠、納屋宗淡宗匠はじめ宗家の皆様方がもてなされました。
  東京初釜式は、20日まで執り行われ、3000人の賀客をお迎えします。