平成21年己丑歳　今日庵初釜式

― 新春を寿ぐ祝意に満ちて ―

平成21年己(つちのと)丑(うし)歳を寿ぐ今日庵初釜式が、1月7日より始まりました。  　初日午前8時50分からの第１席目、式場の「咄々斎」には、千 宗左表千家家元、千 宗守武者小路千家家元、山田啓二京都府知事、門川大作京都市長、山田流家元、衆議院議員の伊吹文明氏、稲盛和夫京都商工会議所名誉会頭、衆議院議員の前原誠司氏、橋本大二郎前高知県知事、衆議院議員の泉 健太氏、中山泰秀氏、参議院議員の福山哲郎氏、家元丈夫京都府議会議長、富喜久夫京都市会議長、齊藤 修京都新聞社代表取締役社長、池坊由紀華道家元池坊次期家元、塚本能交株式会社ワコールホールディングス代表取締役社長はじめ裏千家今日庵老分・顧問方33名が席入りされました。  　床には、正親町天皇の御宸翰が掛けられ、長く垂らされた結柳が清々しいしつらえ。  　千 宗室家元の炭手前に続いて恒例の菓子・菱葩(ひしはなびら)が供され、家元が「福禄寿　三ツ重茶碗」に練られた濃茶を千 玄室大宗匠が正客の千 宗左家元へ。賀客方は年初めの一碗を順服されました。

その後、宗家方が揃われ、家元が年頭の挨拶をされると、代表して山田知事が「本年も茶道の益々のご隆盛と裏千家の繁栄をお祈りします」と応じられました。  　引き続いて金剛流宗家 金剛永謹氏が謡曲「四海波(しかいなみ)」を詠じられ、式場は厳かな中にも祝意に満たされました。

家元は丑歳にあたり、「‘牛歩遅々’と言いますが、ゆっくり歩いていると見失うものが少ないのです。干支に因んで、見失うことの少ない年にできればと存じます」と述べられました。

宗家方ご挨拶

坐忘斎家元己丑歳初削 銘「徒然」	鵬雲斎大宗匠己丑歳初削 銘「牛乗尋」
自詠「春茜 夏軒簾 秋芒 　 　 　 　 　  　 　 　 　 　冬朝月夜 露地の松風」

茶道会館2階広間の祝膳席では、千 容子家元夫人、長女 万紀子様はじめ夫人方がおもてなし。また、茶道会館心花の間と裏千家学園茶室に薄茶席が設けられ、干支や勅題「生」に因んだおめでたい道具などが取り合わされました。

祝膳席	賀客方をもてなす長女 万紀子様

薄茶席（於 茶道会館）	薄茶席（於 裏千家学園）

京都での初釜式は13日まで開催され、行政･経済界･諸団体代表者、寺社関係者、西日本の裏千家社中約3000名が参席。さらに、16〜20日には、裏千家東京道場に会場を移し、東日本の裏千家社中はじめ約3000名を迎える予定です。