第89回夏期講習会(第二班)
この道を見つめて


  裏千家十三代円能斎宗匠が始められて以来、89回を数える伝統ある夏期講習会(第2班)が、8月17日から23日の1週間、宗家において開講、日本全国から81人の受講生が参加しました。道・学・実の三位一体の実践を通して行われる茶道の修練に貴重な汗を流しました。
  初日の開講式は、千 宗室家元、千 玄室大宗匠臨席のもと、午前9時から茶道会館大広間において行われ、受講生を励まされました。

開講式で挨拶されるお家元と大宗匠

  大宗匠はご挨拶で「充電と放電を繰り返すことが、修道の上で一番大切なことです」と語られ、続いて、お家元は「関」の言葉を引用され、「自分に何が欠けているかを知っているのは、自分だけです。心の奥深い所を見つめてください」と修道の要諦について語られました。
  続いて、宮城支部の大和田宗由氏が誓詞を力強く披露。
  家元と大宗匠は、受講生一人ひとりの前に立たれ、一週間の講習に臨む受講生を激励。

誓詞を受けられる家元 受講生を激励される家元と大宗匠



お家元講話

  初日午4後時からは、お家元講話。お家元が「九夏雪花飛」「三冬枯木花」の禅語を引用され、禅語の意義と茶道との関わりについて説かれるとともに、ユーモアを交えられながら、禅を通じて心を自由にすることの大切さを語られました。
  7日間にわたる講習では、帛紗捌きなど基本点前から小習事、七事式、真台子と進められ、また、早朝坐禅や大徳寺参拝をはじめ、中村宗哲氏、土田友湖氏を講師に課外講座の時間が持たれ、受講生は熱心に受講。
  厳しい暑さの中、受講生が流した汗は、これからの修道の糧として心の中に生き続けることでしょう。

基本点前

大宗匠講話

早朝坐禅

中村宗哲氏による課外講座 土田友湖氏による課外講座



閉講式に臨まれるお家元

  23日午後3時からお家元ご臨席のもと閉講式が行われ、「この夏期講習会での経験を自分の心を耕していくために役立ててください。
  志をもって今日庵に来られた皆さんの発心 ― その尊い気持ちを宝物として持って帰ってください。」と言葉を贈られました。

家元より修了証授与 受講生代表の答辞

  家元より上岡宗里氏(松山支部)が修了証を、安藤宗美氏(東京第五西支部)が学校茶道教授者適格証を拝受。宮井宗陽氏(香川支部)が答辞を述べ、閉講式は終了しました。