第90回夏期講習会
汗も修練に代えて




  7月6〜12日の7日間、宗家において90回を数える恒例の夏期講習会が開講され、日本全国から90人が受講しました。明治44年より続くこの講習会は、梅雨の湿気と盛夏の暑さが交錯するなか精々と行われ、1週間の修練の充実ぶりは抜きん出ています。
  千 宗室家元、千 玄室大宗匠が臨席のもと、6日午前9時から茶道会館において開講式が行われました。
  まず、大宗匠は、受講生を力強く激励。続いて、挨拶された家元は、「何かを得ようとするならば、自分がそこに向かって懸命に努力するという学ぶ覚悟ができているかが大切です。何を学ぶべきかをきちんと認識し、有意義な1週間を過ごされるよう期待しています」と話されました。
淡交会西播磨支部の田中宗洋氏が誓詞を述べ、真摯に精励を誓いました。


挨拶される家元


田中氏より誓いの言葉 受講生を励まされる家元、大宗匠


  開講式の後、受講生は早速各班に分かれて講習を受講。最初は、割り稽古から基本動作をしっかりと、7日間で小習事から四ヶ伝、七事式、真台子まで進められました。丹念に点前手続を繰り返す受講生は、流れる汗も拭う間も惜しむようにみな真剣に取り組んでいました。




  初日午後4時からは大宗匠による坐学、また、2日目は家元講話が行われました。


大宗匠講話



家元による坐学


  講習期間中には、課外講座として、早朝坐禅、十職による講義(樂吉左衞門氏、土田友湖氏)、さらに大徳寺拝観が盛り込まれました。

  閉講式は12日午後3時より。
  臨席された家元は、淡路支部の若竹宗富氏に修了証を、札幌第四支部の角 宗弘氏に学校茶道教授者適格証を授与。
  家元は「私は知ること少なき人間である」という言葉を引かれ、「茶の道は一生かけて学んでいくもの。まず自分を和ませる一碗を点てる稽古をしましょう。その一碗を分かち合う気持ちが一座を豊かにし幸せにします」とはなむけの言葉を贈られました。続いて、広島第二支部の村上宗翠氏が答辞を述べ、さらなる修道を誓いました。



修了証授与




答辞を受けられる家元