第90回夏期講習会(第二班)
猛暑の中、この道を見つめて


  裏千家十三代 円能斎宗匠が始められて以来、90回を数える伝統ある夏期講習会。7月に続いて第2班が、8月23日から29日の1週間、宗家において開講、日本全国から87人の受講生が参加しました。道・学・実の三位一体の実践を通して行われる茶道の修練に貴重な汗を流しました。




  初日の開講式は、千 宗室家元、千 玄室大宗匠臨席のもと、午前9時から茶道会館大広間において行われました。
  大宗匠はご挨拶で「この関門をたたかれた皆さんの一歩が大きな実りとなるように、懸命に頑張ってください」と話され、続いて、家元は「これまで前へ上へと進んでこられた皆さん方には、ここで一からのおさらいです。目を見開いて新たな点前の魅力に気づいてください」と一週間の修道を励まされました。
  続いて、石川南支部の上出宗智氏が誓詞を述べ、精励を誓いました。
その後、家元と大宗匠は、受講生一人ひとりより挨拶を受けられ、受講生を激励。


挨拶される家元 誓詞を受けられる家元、大宗匠





家元講話


大宗匠講話


  23日午後4時からは大宗匠が、また27日には家元が講話。お二人は日中の講習を終えた受講生らを労われながら、点前の意味、もてなしの心、風炉のしつらいなど、茶道の「学」をわかりやすく語りかけられました。

  また、7日間にわたる講習では、帛紗捌きなど基本点前から小習事、七事式、真台子と進められ、また、早朝坐禅や大徳寺参拝をはじめ、黒田正玄氏、大西清右衛門氏を講師に課外講座の時間が持たれ、受講生は熱心に受講。


基本点前


黒田正玄氏による課外講座 大西清右衛門氏による課外講座




  29日午後3時から閉講式が行われ、臨席された家元は、「この一週間の体験を自分の誇りとし、これから修道する自分の背中を押す力としてください」と労いの言葉をかけられました。大宗匠は、「この講習の一週間を得がたい宝とし、これからはそれを磨いていってください」と激励。


閉講式に臨まれる家元、大宗匠


家元より修了証授与 受講生代表の謝辞


  東京第二西支部の熊谷宗宏氏が修了証を、東京第七西支部の近藤宗佳氏が学校茶道教授者適格証を拝受。淡路支部の奥野宗孝氏が受講生を代表して謝辞を述べ、一週間の講習を謝すとともに、今後の精励を心に誓っていました。
  厳しい暑さの中、受講生が流した汗は、これからの修道の糧として心に生き続けることでしょう。