利 休 忌

春霞の好日 利休居士の遺徳を敬慕し

  3月28日、利休忌が宗家において営まれ、全国より社中ら約700人が参列しました。利休忌は、茶道を大成した千 利休居士が天正19年(1591)2月28日に自刃されたのを偲び、裏千家では毎年3月28日に催されます。
  式場の茶室「咄々斎」は、床に長谷川等伯筆の利休居士画像が掛けられ、古銅経筒の花入には菜の花、社中による花寄せで荘られました。
  午前9時に開式。厳粛な雰囲気の中、千 宗室家元による炭手前に続いて、「お茶湯の儀」が行われ、家元が謹点された一碗を、千 玄室大宗匠の手で利休居士画像に供えられ、参列者一同は心一つに合掌しました。



家元による炭手前一碗を謹点される家元


  その後、家元が練られた濃茶を、正客の黒田正名氏(淡交会京都西支部副支部長)、次客の鎌田紀彦氏(大宮八幡宮宮司・淡交会東京第六東支部副支部長)らが順服。利休居士はじめ歴代宗匠方ゆかりの取り合わせを楽しみながら、和やかに喫されました。


引き続いて、名誉師範親授式。永年にわたり裏千家茶道に精励されている社中21人に、第16代家元として初めて「名誉師範」の称号を授与されました。家元は、「永年にわたりこの道の普及発展に尽力され、すばらしい後継者を育てておられる皆さんです。今後とも自分に厳しく、そして多くの後継者の手本となられますように」と語られました。


咄々斎では、手向けの七事式が行われました。

茶席は、又新席をはじめ、茶道会館「心花の間」、茶道研修会館に設けられ、春霞の麗らかな好日、参詣者は利休居士の遺徳を偲び、茶席廻りを楽しみました。


七事式:三友之式


香煎席