精中・圓能・無限忌
〜三宗匠の遺徳を偲び〜


  7月5日、宗家三大忌の一つ、精中・圓能・無限忌が咄々斎において厳かに営まれました。


お家元が謹点された一碗を大宗匠が床前へ


  今日まで続く裏千家茶道の隆盛を築かれた裏千家十一代玄々斎精中宗匠(明治10年7月11日没)、十三代圓能斎鉄中宗匠(大正13年8月5日没)、十四代無限斎碩叟宗匠(昭和39年9月7日没)。
  幕末以後、文明開化の急激な変化の時代と戦前戦後の激動の時代を厳として茶道の矜持を守りつつ、時勢に適った茶の湯のあり方を求め続けられた三宗匠の遺徳を偲ぶ法要と茶会に、全国より同門社中約400人が参列。梅雨空の中粛々と進められました。


お茶湯の儀


咄々斎の床荘り 抛筅斎の床 三幅対


  式前、社中代表の花寄せによって荘られた咄々斎。午前9時に倉斗宗覚業躰が開式を告げられた後、千 宗室家元の炭手前。続いて、お茶湯の儀を厳修され、千 玄室大宗匠が床前に取り次がれると、一同は心静かに合掌しました。お家元が練られた濃茶を参列者が順服。
  咄々斎では、手向けの七事式が引き続いて行われました。


七事式

  又新席では、千 容子家元夫人、伊住弘美様はじめ夫人方が薄茶で参列者をおもてなし。
  また、茶道会館と茶道研修会館にも薄茶席が設けられ、参列者らは各席を巡り、一碗を味わいながら三宗匠の遺徳に思いを馳せていました。


又新席に設けられた薄茶席 茶道会館