精中・圓能・無限忌


  令和元年7月5日(金)、宗家三大忌のひとつ精中・圓能・無限忌が宗家において行われ、国内外から約310名の同門社中が参列しました。

九条尚忠公より玄々斎拝領の精中道号が
掛かる式場「聴風の間」床飾り


11代 玄々斎精中居士(1810〜1877)は、咄々斎や抛筌斎など宗家の茶室を増築し、立礼式(点茶盤)や茶箱点などを考案。新しい時代に即した茶道の在り方を示されました。
13代 圓能斎鉄中居士(1872〜1924)は、学校教育の場に茶道を取り入れることに力を注がれ、今日の「学校茶道」の礎を築かれました。また、「今日庵月報」を創刊するなど、書籍を通じた茶道普及にもつとめられました。
14代 無限斎碩叟居士(1893〜1964)は、裏千家茶道の発展と点前統一を目的に昭和15年に淡交会を設立し、昭和24年には財団法人今日庵を創設されました。また、神社仏閣にて献茶を奉仕されたほか、第二次大戦後は海外へも茶道の普及の場を拡げられました。

  午前9時前、式場である平成茶室「聴風の間」にて開式。千 宗室家元がお茶湯の儀を厳修し、千 玄室大宗匠が四弘誓願を唱えるなか、千 敬史様が床に掛かる精中道号に一碗を供えました。参列者一同は、三宗匠の遺徳を偲んで静かに合掌しました。




  続いて家元が練られた濃茶を敬史様が取り次ぎ、嶋村裕吏氏(淡交会参事補・大阪西支部副支部長)、伊木康通氏(淡交会顧問・岡山支部支部顧問)・昌子氏夫妻、上山雅正氏(淡交会特別参事・愛知第二支部副支部長)、ロバート・堀氏(ロサンゼルス協会会長・北米総局諮問委員長)をはじめとする参列者代表が順服。また、伊住宗陽様、禮次朗様がお運びをしました。
  その後、式場では直門による手向けの七事式(唱和之式、三友之式、平花月之式)が行われました。


唱和之式(志倶会) 三友之式(修竹会)


平花月之式 (日曜稽古・すみれ会)


  平成茶室「看月の間」では、この度の精中・圓能・無限忌のために取り合わされた道具が展観されました。


展観


  茶道会館の本席では千 容子家元夫人、伊住弘美様ら夫人方が参列者をもてなしました。また、裏千家学園に副席、茶道研修会館に協賛席(志倶会担当)が設けられました。


本席(於 茶道会館)


副席(於 裏千家学園) 協賛席(於 茶道研修会館)