宗 旦 忌

宗旦銀杏の黄葉を仰ぎつつ、居士の遺徳を偲び



  秋深まる11月19日、宗家三大忌の一つ、宗旦忌が営まれ、全国から同門社中ら約580人が参列しました。千家三代・元伯宗旦居士(1578〜1658)は、利休居士、少庵居士と続く侘び茶を大成され、清貧のうちに茶道に精進、今日庵、又隠、寒雲亭を建てられるなど、裏千家の礎を築かれました。




  式場の茶室「咄々斎」に開式が告辞。
千 宗室家元が炭手前の後、「お茶湯の儀」を厳修、家元が謹点された一碗を、千 玄室大宗匠が宗旦居士画像に供えられ、一同合掌しました。
  その後、宗旦忌の菓子「銀杏餅」がふるまわれた後、家元が練られた濃茶を参列者が順服。時折明るさを増す陽射しも柔らかく、和やかに進められました。
  さらに、今年の新茶が宇治の上林春松氏により届けられ、利休御祖堂に供えられました。

  続いて、名誉師範親授式が執り行われました。永年裏千家茶道に修道してこられた22人に「名誉師範」の称号が、家元より一人ひとりに授与されました。
  大宗匠は、「それぞれ修練の一つの成果です。これで満足することなく"十よりかえるもとのその一"で、更なる修行に励むとともに後進の指導にいただきたい」と労われ、家元は、「皆さん方の背中を見て、多くの方々がその足跡を辿り道を見失うことなく歩み、良い先生になることを願っています」と語られました。


名誉師範拝受を親授される家元、大宗匠


  咄々斎では、引き続いて手向けの七事式(壺荘付花月、濃茶付花月、且坐、法磨)が行われました。
  茶席は、茶道会館広間において千 容子家元夫人はじめ夫人方がもてなされたほか、裏千家学園茶室に薄茶席、さらに茶道研修会館にも薄茶席が設けられ、参会者らは、宗旦居士を偲ぶとともに、秋色深まる京の風情を楽しみながら各席を巡っていました。


茶道会館でもてなされる家元夫人はじめ夫人方


裏千家学園席 秋気爽やかな香煎席


手向けの七事式(壷荘付花月)


届けられた茶壷 抛筌斎に飾られた道具


親授式後、大宗匠と記念撮影される名誉師範拝受者の方々