利休大居士11代玄々斎ゆかりの茶室「水月亭」
伊奈波神社へ移築・復元
千 宗室家元 地鎮祭で岐阜の茶道興隆を祈念
─新たな出発を祈念し、11日に地鎮祭─


  伊奈波神社


  前日、東海地方を襲った台風6号による豪雨が一転、澄み切った青空が広がる7月11日、岐阜市伊奈波通の伊奈波神社(東 道人宮司)の境内で、千 宗室家元出席のもと「水月亭」再建の安全を祈って地鎮祭が執り行われました。
  地鎮祭には、伊奈波神社の東 道人宮司、岡本太右衛門同神社責任役員、淡交会岐阜支部の辻 正支部長、小川博久副支部長、川島秀夫副支部長、淡交会特別参事で岐阜支部顧問の大松節子氏をはじめ約70人が参列。


地鎮の儀に臨まれるお家元


  この茶室は、江戸末期の創建とみられる京風数寄屋造りで、幕末から明治にかけて活躍された裏千家11代玄々斎宗室宗匠ゆかりの名席。
  当初、玄々斎宗室宗匠が京都の東本願寺内に建築し、明治20年代に書院とともに岐阜市大門町の東本願寺岐阜別院(東別院)に移築され、裏千家の茶会に利用されてきました。ところが、東別院内の保育園舎建設に伴い、取り壊されることになったため、千 宗室家元が私財を提供し、茶室を復元。「水月亭」を伊奈波神社社務所西側の更地に移築することになり、完成は来春の予定。再建後の茶室は伊奈波神社に寄贈されます。また、淡交会岐阜支部は、これに事務所を併設し、水月亭の管理運営に当たることになっています。


玉串を奉奠(ほうてん)されるお家元


  千 宗室家元は「このご縁をもとに、水月亭が岐阜の茶道文化の中心的役割を果たしてくれることを念じてやみません。玄々斎は、立礼式を取り入れるなど、茶道の中興の祖と言われています。水月亭が皆さんのご支援とお導きで再建できることは大変有り難く、この地で茶道がますます発展することを心から念じます」と述べられました。


千 宗室家元によるご挨拶


  茶室の寄贈を受ける東宮司は「日本人の精神文化を支える拠点となれば」と再建を待たれています。

  「水月亭」が岐阜における茶道文化の発信基地となることが期待されます。


お家元はじめ地鎮祭に参列の方々


神楽奉奏