千 宗之若宗匠、来年1月1日に16代家元継承
千 宗室家元、千 宗之若宗匠、
家元継承について発表


記者会見される千 宗室家元と千 宗之若宗匠

  坐忘斎千 宗之若宗匠は、今日庵庵主として利休居士16代千 宗室家元を継承、15代鵬雲斎家元は鵬雲斎千 玄室前家元を名乗られることになりました。

  継承宣誓式は、12月22日、裏千家今日庵 利休御祖堂で行われ、来年1月1日をもって継承。若宗匠は、新春の宗家初釜式において、裏千家家元として臨まれます。


お家元ご挨拶

  10月8日、裏千家茶道会館大広間において、茶道裏千家家元の継承についての記者会見が開かれ、多くのマスコミ関係者が取材のため来館。関心の高さがうかがわれました。
  千 宗室家元、千 宗之若宗匠、伊住宗晃宗匠、納屋宗淡宗匠、大谷裕巳裏千家調査役がご列席。
  伊住宗匠の司会でプレス会見が始まり、伊住宗晃宗匠は「新しい世代、新しい時代の『裏千家づくり』を次の家元に託していきたいという家元の強い思い、そして、それを受ける若宗匠の思いが合致したということであります」と説明。


司会進行される伊住宗匠


お家元ご挨拶
  「戦後の多難な時代をくぐり抜け、『一碗からピースフルネスを』という私のターゲットをもちまして、一碗のお茶をもって世界平和のために寄与するという信念がこの50年間で世界中に実ってまいりましたことを思いますと、忸怩たる思いと同時に、一粒の種が大きく育ってくれましたこと、私自身、本当に良き時期を得、また、良きお人を得て、自分の信念でこうしたことを、家内と共に実現することができました。
  私どもの『道』は終生が修行でございます。従いまして、生存中に代を譲ることは贅沢なことかもしれません。しかしながら、坐忘斎千 宗之は私の傍らで茶の道はもとより、禅のほうも僧堂におきまして修道を重ね、十分、未来の家元としてのいろいろな資質・人格その他、積み重ねを20年間やってまいりました。自分の息子を誉めるわけではございませんが、古き革袋に新しき酒を盛るという時期が来たのではなかろうかという気持ちで、坐忘斎に後継を託すことになった次第でございます。
  今後は、一無位真人の心境で、大所高所から新家元を補佐していきたいと思います。」



若宗匠ご挨拶
  「20年間、若宗匠として勉強させていただきましたが、自分でこの道一筋に正直に学び、そして、人を育てるべく努力してまいりました。
  人が生きていく限り、日本という素晴らしい国が存続する限り、茶の道は無制限にイニングを重ねていくと思います。この道を次世代に継承するためにも、力まず、見栄を張らず、自分で自分を飾らず、厚化粧せず自分の分際を見極め、そして、自然体で自分がいる場所に臨むということを続けていきたいと思います。私の好きな、そして、ずっと大切にしてきた言葉に"Practice what you preach."(あなたが人に伝えたいことをあなたがまず実践しなさい)があります。これからは、家元が全世界に蒔かれた茶道の種を大切に育てていくとともに、良い先生を育てるべく、一歩ずつ確実な足取りで進み、そして裏千家茶道を学ぶ多くの社中の良い手本となるよう、自分を今後も鞭打っていきたいと存じます。」




  本年11月25日開催される第100回淡交会全国総会において全国の裏千家社中に発表、12月22日裏千家今日庵利休御祖堂にて継承宣誓式、来年5月には、継承奉告献茶式・記念茶会・披露パーティーが平安神宮と明治神宮において開かれる予定です。
  また、来年の全国11か所で開催される「茶道裏千家淡交会地区大会」が慶祝大会として行われます。

茶道会館「心花の間」で歓談されるお家元、若宗匠