戻る
伊住宗晃宗匠 本葬・告別式 大徳寺本坊でしめやかに
6,000人が別れを惜しむ

  2月2日に逝去された伊住宗晃宗匠(擔泉斎月澗宗晃居士)の告別式が、12日、京都市北区の紫野大徳寺で営まれました。親族や親交のあった政財界人・文化人、裏千家同門社中、市民ら約6,000人が参列され、遺影に水仙の花を捧げ、故人の冥福を祈りました。




  葬儀・告別式は午後1時より開式。臨済宗大徳寺派管長の福富雪底老大師が大導師を務められて始まり、千 玄室大宗匠、千 宗室家元が茶湯の儀を行われ、遺影にそれぞれ一碗を捧げられました。
  葬儀委員長の塚本能交今日庵老分・淡交会理事(株式会社ワコール社長)は、30数年前の初めての出会い、そして伊住宗匠の業績を振り返られながら、「あなたがやり残したことを少しでも私たちが代わりになって、あなたならこうしたのかなと思いをめぐらせながらお手伝いいたしたいと思います」と式辞を述べられました。続いて、京都府知事の山田啓二氏(夫人代読)、京都市長の桝本頼兼氏、友人代表の大倉治彦氏(株式会社月桂冠社長)が弔辞を述べられ、その人柄を偲びました。
  伊住宗匠の功績を称え、京都府から感謝状、京都市から特別感謝状が贈呈され、喪主の弘美夫人が遺影に捧げられました。


式辞を述べられる塚本能交氏 京都市長の桝本氏より特別感謝状の贈呈

  さらに、小泉純一郎内閣総理大臣、福田康夫内閣官房長官、海老沢勝二NHK会長、エーロ・サロヴァーラ駐日フィンランド大使、中国南開大学の候自新学長からの弔電が披露。
  読経の後、大導師より引導が発せられ「喝」の一喝。堂内は観音経の読経に包まれました。

  喪主の弘美夫人は、「昨年末に父から兄への家元継承が無事に終わり、兄とともに新しい茶道を歩みたいと思っていた矢先の突然の別れでございました。これからは子どもたちと共に、主人がこれから進みたかったであろう道を、また私たちがどんな方に進むことを望んでいたか、それを考えながら歩んでまいりたいと思います」と挨拶されました。
  来賓方の焼香に続いて、一般献花が行われ、水仙の花を手にした会葬者の列は途切れなく続きました。

  終わりにあたり、坐忘斎家元が挨拶され、授戒の師である福富雪底老大師より引導を渡された伊住宗匠の冥福を祈られるとともに、「彼が果たしてきた家の中の蛍光灯のような役割を一人ひとりが果たし、社中のためにも一所懸命、人々の足許を照らせるような生き方をしていきたいと思っております」と御礼の言葉を述べられました。



  3日の通夜・4日の密葬、ならびにこの日の本葬には、生前の交友関係の広さを物語るように、
三笠宮妃百合子殿下、高円宮妃久子殿下・承子女王殿下、近衞忠W様、近衞ィ子様、千 宗左表千家家元、千 宗守武者小路千家家元、山田宗偏・宗偏流家元など各家元方、九條道弘平安神宮宮司、多数の国会議員の方々、坂上守男京都新聞会長、斎藤守慶毎日放送会長、村田純一京都商工会議所会頭、稲盛和夫京都商工会議所名誉会頭、小谷隆一京都商工会議所名誉顧問、俳優の辰巳琢郎氏、角界の九重親方、裏千家同門社中はじめ多数の方々が最後のお別れを告げられました。

  「擔泉斎月澗宗晃居士」となられた伊住宗晃宗匠のご冥福をお祈りいたします。


戻る