千 宗室家元、「座礼棚」を考案
安座での点前を発表




  千 宗室家元は、このたび新たに「座礼棚」を考案され、5月8日午後、その制作発表の記者会見が行われました。

  今回発表された「座礼棚」は、安座(あぐら)での点前です。畳の無い家が増え正座をする機会も少なくなった現代の日本の住環境に鑑み、和室は勿論、絨毯やフローリングの洋間でも点前ができるよう考慮されています。
  また、日常生活の様々なシーンで「足に負担をかけず楽に座って点前を楽しむ」ことを通じて、世代を超えたあらゆる方々に対し、茶の湯という日本の伝統文化への興味・関心を一層高めるものと期待されています。

  「座礼棚」は、座礼棚・客卓、クッション(低反発素材)から成り、主客双方の足の具合や部屋の佇まいに応じて配置し、亭主も客も安座のままお茶を楽しむ、いわば「現代版・入子点」です。点前作法・扱いは立礼に準じます。

  家元は、「これからの茶の湯の一面として、こんな楽しみ方もあるのだと感じていただければ」と話されています。




  記者会見には、約30人近くの記者・カメラマンが詰めかけました。
  まず、家元が、今回の「座礼」について考案までの経緯や意図などを説明された後、実際に座礼棚を使ったデモンストレーションが行われました。安座での点前に、記者からも盛んに質問が発せられ、関心の高さが伺えました。


記者会見に応じられる家元