千 万紀子様、第54代斎王代に




  このたび、千 宗室家元ご長女 万紀子様が、本年の葵祭の斎王代をつとめられることとなり、4月13日、平安会館(京都市上京区)において記者発表が行われました。

  賀茂(かも)御祖(みおや)神社(下鴨神社)と上賀茂神社の例祭「賀茂祭」は、祭儀に関わるすべての人々、そして内裏神殿の御簾をはじめ御所車、牛馬にいたるまで、すべてを二葉葵の小枝で飾ることから、「葵祭」として広く知られるようになりました。現在は毎年5月15日に行われ、平安王朝の古式そのままの典雅な行列が京都御所から下鴨神社、そして上賀茂神社へと進みます。
  斎王は朝廷を代表して神に仕える女性であり、賀茂神社では弘仁元年(810)に伊勢の神宮の斎宮の制に準じて定められました。その後、戦乱の続いた時代に廃止されましたが、時を経て、昭和31年(1956)から斎王に代わる「斎王代」が毎年選ばれるようになり、斎王代を中心として女人列が復興され、葵祭の行列に加わりました。

  ご両親とともに会見に臨まれた万紀子様は、「斎王代といいますと、子どものころから、何か物語の主人公のような存在に感じておりましたので、そのような大役をつとめさせていただけることをたいへん光栄に思っております。今までの斎王代の方々がされてきたことを大切に、伝統を守っていきたいと思います」と話されました。
  家元は、「葵祭は多くの方の思いが詰まった素晴らしい行事です。娘には、その思いをしっかりと受けとめて、次の斎王代の方に引き継いでほしいと願っています」と述べられました。