斎王代・千 万紀子さん、曲水宴にて歌題披露




  千 万紀子さんには、昨年より葵祭の第54代斎王代をおつとめです。
  4月11日、賀茂別雷神社(上賀茂神社)において賀茂曲水宴が行われ、万紀子さんは平安王朝の衣装である十二単をお召しになり、当日の歌題「落花」を披露されました。


本殿にて 歌題を披露される万紀子さん


  曲水宴は中国の年中行事に由来し、奈良平安時代には朝廷において、摂関期には貴族の私邸で行われたとされています。庭に曲溝を作って水を引き入れ、流れに浮かべた盃が、自分の前をすぎる前に詩を詠むという風流な宴で王朝貴族に親しまれました。また、中国では3月の上巳日(陰暦3月の初めの巳の日)に水辺に出て祓禊を行う行事でもありました。


曲水宴をご覧になる万紀子さん


  東三条院 藤原詮子創作の梅花の香と平安雅楽会による雅楽の流れる中、曲水に羽觴(うしょう)が浮かべられ、宮中歌会始選者の永田和宏氏、河野裕子氏はじめ5名の歌人が「落花」にちなんだ和歌を詠まれました。それぞれの和歌は冷泉家時雨亭文庫によって披講され、参加者は春のひと時、平安の雅を現出する曲水宴を楽しみました。


羽觴を流す童子と歌人


観覧席より曲水宴をご覧になる家元夫妻 斎王桜前にて


  この曲水宴をもって、万紀子さんは昨年より続く斎王代の大役を全て無事に終了されました。