第26回国民文化祭・京都2011




  10月29日(土)から11月6日(日)まで、京都府において日本最大の文化の祭典である国民文化祭(主催:文化庁・京都府・京都市他)が開催されました。府内各所には宗家はじめ、淡交会各支部、青年部、学校茶道、裏千家同門社中有志が茶会、点茶体験コーナーを設け、爽秋の京都を訪れた多くの方々に一碗を呈しました。


● 京都大徳寺茶会
  29日、大徳寺山内には裏千家、表千家、武者小路千家の三千家による懸釜がなされました。三千家が同一会場でそろって釜を懸けるのは平成2年の利休居士400年遠忌以来21年ぶりのこと。総見院に設けられた今日庵席では千 宗室家元夫妻、千 万紀子さん、伊住公一朗氏、伊住禮次朗氏が国内外から400名の来席者をもてなされました。




  裏千家をはじめ各流派でお茶を嗜む方々の他、初めて茶道に触れる方も来席され、お菓子や抹茶のいただき方を教わりながら初めての一碗を楽しむ姿も見られました。




  30日には山田啓二京都府知事が今日庵席にお越しになり、家元夫人、公一朗氏がおもてなし。心尽くしの一碗を多くの参席者とともに楽しまれました。この日は裏千家の他、表千家、藪内家の三家による懸釜がなされました。


正客を務められた山田知事


● 京都北中部茶会
  29日(土)、綾部市の大本本部において国民文化祭の一環として京都北中部茶会が開催。両丹支部担当の薄茶席と同支部丹の国青年部・舞鶴青年部担当の点茶体験コーナーが設けられました。




  長生殿の白梅殿に設けられた薄茶席は事前申込定員が満員となる盛会。両丹支部会員が心入れの取り合わせでおもてなししました。また、当日参加可能な点茶体験コーナーには事前申込による親子連れはじめ、終日多くの参加者があり、青年部会員がお茶の点て方を丁寧に指導。秋空の下、各所で大いに賑わいを見せました。
  長生殿の木の花閣には大本本部による薄茶席と展示室が設けられ、耀わん茶碗はじめ宗門ゆかりの茶道具が多数展示。参加者は一碗を楽しむとともに、興味深く拝見していました。


● 植物園大茶湯
  11月3日(木)、京都市左京区の府立植物園において植物園大茶湯が催され、裏千家の茶席をはじめ、煎茶、紅茶など各国各地の茶を代表する21席が設けられました。北野大茶湯を模した本行事では、一般市民に茶文化に親しんでもらおうと、植物園を無料開放。参加者は思い思いの席に足を運び、それぞれの特色を楽しみました。






  京都ならではの国民文化祭の行事として、裏千家宗家で茶道を学ぶ外国人研修生が、光華中学高等学校茶道部と合同で釜を懸けました。植物園会館研修室に茶室を設え、50分程度の茶道紹介プログラムを組み、前半は裏千家学園の留学生が点前を披露。茶道の解説を日本語で行い、その後、光華中学高等学校の学生・生徒が点前を披露。外国人研修生と中高生がペアになって呈茶を行うなど、茶道の国際性を大いにアピールした茶席に感激の表情を浮かべる参加者もあり、学生たちに激励の言葉をかける姿が各所で見られました。


● はじめてのお茶とお香
  11月5日(土)・6日(日)、京都市東山区の建仁寺と八坂倶楽部において「はじめてのお茶とお香」が開催されました。これは日本の四季折々の暮らしの中で培われてきた茶道や香道のこころと楽しさに触れ、一般市民はじめ多くの参加者に体感してもらうことが目的の催しです。




◆ 建仁寺 塔頭寺院
  建仁寺境内に抹茶席2席、煎茶席、お香席の4席が用意され、参加者に一碗が呈されました。久昌院には裏千家学生茶道研究会(森田友梨評議員長)担当の薄茶席が設けられ、淡交会理事の伊住公一朗氏はじめ多くの来席者をもてなしました。本文化祭のマスコットキャラクターであるPR隊長の「まゆまろ」を模したお菓子や趣向をこらした道具の取り合わせ。まゆまろのお菓子に感動する参加者の姿が見られるなど、大いに賑わいを見せました。



まゆまろを形どったお菓子


まゆまろと裏千家学生茶道研究会


◆ 八坂倶楽部
  お茶やお香に関する歴史や文化の展示と様々な体験コーナーを設置。京菓子づくりの実演コーナーでは、菓子職人が丁寧に説明をしながらお菓子をつくる姿に、参加者は真剣な眼差しを向けていました。
  また、京都支部青年部連合会(岡本政明会長)担当の呈茶席(5日)と体験コーナー(6日)が設けられ、親子連れはじめ多くの参加者が、八坂倶楽部の美しい庭を眺めながら思い思いに一碗を楽しみました。