千宗室家元、タイ王国チュラロンコーン大学で基調講演
〜タイの日本文化研究に新風を〜



チュラロンコーン大学


  鵬雲斎千 宗室家元はタイ王国・チュラロンコーン大学の招聘を受け12月8日より12日まで同国を訪問、同大学院比較文学研究科博士課程シンポジウムの基調講演をされました。会場のサラニテート講堂には他大学からも含めて約40人の日本文学、日本文化の研究者が集まりました。
  2001年1月に家元が裏千家淡交会バンコク協会20周年記念行事のひとつとして、同大学にて講演とデモンストレーションを行いましたが、この度はタイの日本文化研究者を対象に、より深い内容の講演をお願いしたいとの要請により実現したもの。

 12月9日(月)、鵬雲斎家元は午前9時から2時間にわたり、茶道の成立から現在に至るまでの歴史、茶道の成立に影響を及ぼした仏教・儒教・道教を茶道が持つ精神性等の観点から説き起こし、『徒然草』、『雪国』等日本文学史上著名な作品を例に取りながら、日本文学とその背景にある日本文化と日本人の感性との関連を判りやすい言葉で詳細に説明されました。参加の研究者たちは、メモを取りながら、家元の講演に熱心に耳を傾けていました。

シンポジウムで基調講演をされる家元


チュラロンコーン大学主催晩餐会にて
挨拶される家元
シンポジウムが開催されたチュラ
ロンコーン大学サラニテート講堂


  また、同日夕刻の同大学主催晩餐会には大学側からタチャイ・スミトラ学長夫妻、カラヤ・ティンサバー文学部長、サワラック・スリヤウォンパイサル文学部教授等関係者約20名、来賓として時野谷 敦・駐タイ日本国大使夫妻、本間 豊・国際交流基金バンコク日本文化センター所長が出席。
  席上、千 宗室家元は、今後の日本文化研究者養成のために大学に寄付をされ、タチャイ学長より感謝の言葉が述べられました。


タイ日本人学校茶道サークルの子ども達の代表より
歓迎の言葉を受けられる家元