千 玄室大宗匠 ベトナムを訪問
〜一碗で日越友好を展開〜




  千 玄室大宗匠が9月12日(金)から18日(木)まで日越国交樹立30周年を迎えたベトナムを訪問。

  大宗匠は9月14日、中部の古い町ホイアンで開催の国際シンポジウム「文化遺産の保存と国際協力」にて記念講演。講演で大宗匠は日本における茶文化の歴史をベトナムとの交流に触れながら紹介されました。ホイアンは中世中継ぎ貿易の拠点として、また日本との朱印船貿易の基地として、当時1000人を越える日本人町が作られたことで知られ、現在は町全体が世界遺産に指定されています。

  続いて、落ち着いた佇まいを見せる首都ハノイで大宗匠は、16日(火)に国家主席府にてチャン・ドゥク・ルオン国家主席夫妻に会見されました。正式な形でお茶をと所望されたチャン国家主席は点前の所作の意味、茶道の精神等に深く関心を持たれた様子で、大宗匠の説明にじっくりと耳を傾けられました。和やかな中に、一碗のお茶を通じての日越友好を果たされました。

大宗匠は国際シンポジウム「文化遺産の保存と国際協力」にて記念講演


チャン・ドゥク・ルオン国家主席夫妻に一碗を献じられる大宗匠





  翌17日(水)、儀杖兵の先導を得て大宗匠は、ホーチミン廟、戦没者記念碑に参拝・献花。建国の父ホーチミン主席とベトナム戦争で亡くなった多くの人々への祈りを捧げられ、世界の平和への思いを新たにされました。

  その後、服部則夫駐ベトナム特命全権大使からの要請により大宗匠は、ハノイの日本大使公邸において茶道紹介。チュオン・クワン・ドゥック国会副議長夫妻、ファム・クワン・ギ文化情報大臣夫妻はじめ、アメリカ、オーストラリア、カナダ、メキシコの駐ベトナム各国大使夫妻の出席があり、千 玄室大宗匠は公邸内三畳中板の茶席にて点前、その後、会場を変えて、来場者に呈茶されました。
  ベトナムでの本格的な茶道紹介は例が無いことから主要4紙による大宗匠への共同インタビューが行われ、予定時間を大きく超え熱心な質問が相次ぎました。
  大宗匠のベトナム訪問は、記念すべき年に日本文化の粋を伝える意義深いひと時となりました。

大宗匠はホーチミン廟、戦没者記念碑に参拝され、平和への誓いを新たに


大使公邸内茶室にて政府高官、各国大使に茶道紹介をされる大宗匠