千 玄室大宗匠、韓国を訪問
高麗大学にて茶道講演及び「茶の本」韓国語版出版を記念して



  千玄室大宗匠は10月25日(水)〜28日(土)の間、韓国を訪問されました。

  10月25日(水)夕刻ソウル・仁川空港に到着された大宗匠は、明けて26日(木)午前に、韓昇洙・2014年平昌冬季オリンピック誘致委員会委員長と面談されました。
  韓昇洙氏は、韓国外交通商部長官(外務大臣)、駐米大使などを歴任、2001年「9・11同時爆破テロ」の直後に開催された第56回国連総会で議長を務めるなど韓国の外交分野での重鎮。大宗匠は日本・国連親善大使ならびに日本国連協会会長の立場から、北東アジアにおける国連の役割、今後の国連活動等について忌憚のない意見を交換されました。

韓昇洙氏と


  同日午後、韓国の名門大学の一つである高麗大学校にて「千利休の茶道」と題する講演を行い、同大学の研究者、学生を前に茶道紹介をされました。
  会場の100周年記念館国際会議場には大学側の予想を超える多数の研究者、学生が集まり、大宗匠の講演、丁寧な茶道紹介を熱心に聴講していました。
  大宗匠は講演に先立ち、同記念館最上階の一民ラウンジで、魚允大・高麗大学校総長、金容雲・高麗大学校名誉教授、金春美・高麗大学校日本研究センター長、崔官・高麗大学校日語日文学科教授、全亨式・高麗大学校日語日文学科学科長と面談、訪韓に合わせて出版された著書「茶の心」の韓国語版50部を日本研究センターに寄贈されました。

高麗大学一民ラウンジにて



高麗大学100周年記念館




茶道プレゼンテーション


聴講者への呈茶


  10月27日(金)午前には中央大学校において大学院の特別授業に臨まれ、金大植・副総長、黄潤元・対外協力本部長、韓相俊・大学院副院長、李周行・文科大学長等大学幹部の方々からの挨拶を受けられた後、朴銓烈・韓日文化研究所所長、孫順玉・日本研究所所長代理をはじめ関係の教授方と茶道について意見交換をされました。

  また、同日夕刻にはロッテホテル・ガーネットホールでの「茶の心」韓国語版出版記念祝賀会に出席されました。
  「茶の心」韓国語版は『南方録』の研究者である朴銓烈・中央大学校韓日文化研究所所長が昨年来約1年をかけて翻訳に取り組み、淡交社の協力の下、この度韓国で第一回優秀雑誌社に選ばれた月刊茶道社から出版されました。
  出版記念祝賀会には、朴範薫・中央大学校総長、武藤正敏・駐大韓民国日本国大使館公使、小林直人・国際交流基金ソウル文化院所長、金容雲氏・韓日文化交流会議韓国側委員長、蔡熙秉・淡交会ソウル協会会長ご夫妻、国際ロータリートラスティー李東建氏夫人他各界各層の関係者約120名が出席。康法善・月刊茶道社社長から大宗匠に「茶の心」韓国語版が奉呈され、盛大な祝賀会となりました。
  祝賀会の席上、大宗匠より茶道裏千家淡交会淡交会ソウル協会会長に就任された蔡熙秉氏始めその他の役員方に委嘱書が渡されました。


出版記念祝賀会で挨拶される大宗匠


「茶の心」韓国語版の奉呈翻訳者の朴銓烈氏と


淡交会ソウル協会役員への委嘱書交付


  祝賀会終了後、参席者は別室に設けられた呈茶席にて一碗のお茶を楽しまれました。
  今後の韓国での茶道普及と裏千家と韓国の一層の深まりを予感させる訪問となりました。