千 玄室大宗匠 インド訪問
日印交流年を飾って、ヒンズー教の寺院にて平和友好祈念献茶式を厳修


  近年、インドの国際的地位の向上に伴い日本を始め、世界各国はインドとのグローバル・パートナーシップ関係を協力に推進しつつあります。このような状況を踏まえ、2005年に小泉元総理はインドを訪問し、マンモハン・シン首相との間で日印共同声明に署名、日印文化協定締結50周年にあたる2007年を「日印交流年―インドにおける日本年」としました。
  日本・国連親善大使の千 玄室大宗匠は外務省の要請を受け、日印交流年行事の一環として茶道講義とデモンストレーション、日印平和友好祈念献茶式、大使館主催茶会などの行事を催行するべく9月11日より14日まで訪印されました。
  またワシントンよりライシャワー・センターのケント・カルダー所長もアドバイザーとして同行されました。

  9月11日、夜8時過ぎにもかかわらず、在インド日本国大使館より堀江良一公使、松村一 一等書記官らが大宗匠をデリーのインディラ・ガンジー空港で迎えられました。




  翌12日、大宗匠はネルー大学バッタチャルヤ学長の歓迎を受けられた後、午後2時より同大学オーディトリアムにて講義と茶道デモンストレーションが行なわれました。堀江公使、ワリアムシン同大学学部長のほか学生、教師、一般聴講者、約200名が熱心に聴講。続く呈茶席では茶道の心得のある大使館員の夫人方有志と日本から同行した裏千家インターナショナル・アソシエーションのメンバー12名が手伝いにあたり、席待ちの列が出来るほどの盛況ぶりでした。

ネルー大学バッタチャルヤ学長と


堀江良一在インド大使館公使の挨拶




   熱心に聴講する学生、教師達




呈茶席で

  9月13日午前10時、日印平和友好祈念献茶式が始めてヒンズー教の寺院で執り行われました。式場となったラクシュミ・ナラヤン寺院(通称:ビルラ寺院)は1938年インドの大財閥ビルラ財団によって建立され、身分、宗教の垣根を越えて万人に開放することを条件にマハトマ・ガンジーによって落慶法要が行なわれました。10時を過ぎると戸外は34度の炎天下、しかし、石造りの寺院はさほどの暑さも感じず、7名の僧侶の読経の後、大宗匠はクリシュナ神に日印平和友好を祈念して厳粛に一碗を捧げられました。続いてビルラ財団理事マドハシュリー・ビルラ夫人、大宗匠、榎 泰邦在インド日本国大使が焼香をされました。


ラクシュミ・ナラヤン寺院での献茶式



献茶式参列の来賓方と
榎大使、ケント・カルダー所長、ビルラ財団理事・役員の方々

  9月13日の夕刻より日本国大使館主催の茶会が大使公邸で行なわれました。招待者はポーランド大使夫人をはじめ、各国の大使夫人、文化担当者など約70名。公邸のサロンに設けられた茶道デモンストレーションのステージでは大宗匠みずからお点前を披露され、正客には榎大使夫妻が務められるなど、出席者が一体となる楽しい茶会となり全ての行事を締め括くくられました。


大使公邸にて大使館主催茶会 茶道デモンストレーションで点前をされる
大宗匠とお客様の大使夫妻


国際色豊かな茶会裏千家インターナショナル・アソシエーション会員も国際交流に一役