千 玄室大宗匠がモスクワ・ワルシャワを訪問


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  10月11日から17日まで、千 玄室大宗匠はロシア連邦モスクワとポーランド共和国ワルシャワを訪問され、夫々の地で茶道行事を行われました。また、日本国観光親善大使として観光行政を所管する各省を表敬訪問、観光立国日本をPRされました。

  大宗匠のモスクワ訪問は、1988年8月から1990年9月の間、3度に亘り実施された「日ソ友好文化交流裏千家茶道親善使節団」によるもので、今回は20年ぶり4度目、ソ連崩壊後では初めてとなります。

  10月12日(火)14時より、モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国大学に再建された「清露庵」の茶室披きが執り行われました。
  この茶室は、裏千家が1994年に同大学と交わした協定にもとづき寄贈したものですが、大学側の都合により解体され、モスクワ郊外に保管されていました。このほど、同大学4階の教室内に新たな場所を得、再建されることになりました。
  裏千家モスクワ協会のマズリック会長が司会をつとめ、モスクワ国立大学のショミン副総長、同大学アジア・アフリカ諸国大学のゲヴェリング副学長の挨拶。続いて大宗匠が挨拶された後、副学長に寄贈品目録を贈呈されました。また、来賓を代表して、河野雅治駐ロシア日本国特命全権大使とブスィギン文化省次官から祝辞が述べられました。また、扁額除幕には天江喜七郎淡交会顧問(国立京都国際会館館長)も参加されました。
  茶室では、大宗匠のお点前により賓客方に一碗が呈され、真新しい八畳の茶室が披露されました。

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  15時より、同大学2階帝国講堂において、大宗匠による「茶道文化講演会」が行われました。大宗匠は「日本の心 茶の湯」と題してご講演。会場を埋めつくしたロシア人聴講者に茶道の平和思想を丁寧に説明されました。そして、「百聞は一見にしかず」としてデモンストレーション、参加者への呈茶が行われました。

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  ロシア連邦においては近年とりわけ、日本文化への関心が高まっていることから、会場にはロシアのテレビ、ラジオ等のメディアが多数入り、大宗匠は茶道文化講演会の前後に取材・インタビューにも応じられました。

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  10月13日(水)、大宗匠は、日本国観光親善大使としてロシア政府スポーツ観光青年政策省を表敬訪問、ナジナ次官と面会されました。

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  10月14日(木)、空路ポーランドへ移動された大宗匠は、まずヴェルベデル宮殿においてアンナ・コロモフスカ大統領夫人に呈茶、日本の伝統文化「茶道」を紹介されました。大統領夫人が自らお茶を点てられるなど、和やかな会となりました。

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  夕刻、楠本祐一駐ポーランド日本国特命全権大使の主催により、大使公邸において大宗匠の講演会と茶会が催され、大宗匠は各界の方々を前に茶道の成り立ちとその平和哲学について述べられるとともに、一碗を呈されました。

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  10月15日(金)午前、日本国観光親善大使としてポーランド政府観光省を表敬訪問、ソビエライスカ次官に馬淵澄夫国土交通大臣の親書を手渡され、観光立国日本をPRされました。

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  午後には、ワルシャワ大学茶道文化講演会が同大学旧図書館オーディトリアムで開催されました。開会に先立ち、ワルシャワ寸心協会による呈茶席が設けられ、同大学の日本学科学生が引きも切らず訪れ、一碗を味わいました。

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  14時30分茶道文化講演会が開会。レンガリー副学長の挨拶の後、ワルシャワ大学の唯一の勲章『ワルシャワ大学勲章』が大宗匠に授与されました。大宗匠は「日本の心」と題してご講演。聴講者に「和敬清寂」の茶道精神を説かれました。
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  夕刻からは、大宗匠主催による晩餐会がブリストルホテルにおいて催されました。本年はショパン生誕200年にあたることからポーランド国内ではショパンイヤーとして各種の催しが行われています。晩餐会冒頭、ショパンの楽曲によるピアノコンサートがあり、参加者はショパンコンクールに参加経験のある若いピアニストの演奏に聞き入りました。
  初めに大宗匠が挨拶され、続いてワルシャワ寸心協会ブジンスキー会長の挨拶、楠本祐一大使の祝辞、ワルシャワ大学のルトコフスカ日本学科長が乾杯の発声をされました。ポーランドの伝統料理を味わいながら和やかな歓談のひとときとなりました。
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  一連の行事には、ワルシャワ寸心協会と同時に発足したクラクフ洗心協会からも、アンジェイ・ワイダ会長はじめとするメンバーが参加されました。
  翌16日、大宗匠はワルシャワ道場をご視察、ウルシュラ・マハ宗宇氏に準教授が親授された後、協会メンバーにより大宗匠に一碗が呈されました。
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