伊住禮次朗様、パリを訪問
− プティ・パレ美術館講演 −

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パリ市立プティ・パレ美術館

  伊住禮次朗様は、平成31年2月21日(木)から26日(火)までフランス・パリを訪問され、「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画「茶の湯」として、パリ市立プティ・パレ美術館にて2日間の講演に臨まれました。
  「ジャポニスム2018:響きあう魂」は、2016年5月に安倍総理大臣とフランスのオランド大統領(当時)の合意により、日本文化の素晴らしさを世界へ発信する取り組みとして実施が決定した、大規模な複合型文化芸術イベントです。日本とフランス両国が連携し、2018年7月から約8ヶ月間にわたり、パリ内外の100近くの会場で展覧会や舞台公演、さまざまな文化芸術の紹介が行われてきました。
  今回の行事は「ジャポニスム2018」の企画の立案・実施を行っている国際交流基金 ジャポニスム事務局からの、「ジャポニスム2018」の閉幕を飾る企画として、是非茶道行事を実施したいとの依頼によるものです。

  22日(金)、禮次朗様は行事に先立ち、在仏日本国大使館にて木寺昌人 駐仏日本国特命全権大使を表敬訪問しました。木寺大使はフランス人の日本文化を理解する力について、「ジャポニスム2018」のある舞台公演企画でスタンディングオベーションが起こったことを挙げて述べられ、講演を翌日に控える禮次朗様を激励。また、中国に駐在経験のある木寺大使と千 玄室大宗匠との、中国時代から長く続く交流などが話題に上り、和やかなひとときとなりました。

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  23日(土)、パリ市立プティ・パレ美術館 オーディトリウムに於いて、1日目となる講演「茶の湯を学ぶ−日本文化の入口−」が開催されました。杉浦勉 パリ日本文化会館館長による挨拶に続いて登壇された禮次朗様は、茶室の構成から始まり、茶事や抹茶、菓子、懐石等について、その中で大切にされていることなど精神・思想的側面も含めて平易に解説。途中で茶事の流れが凝縮された動画を流すなど、茶道の心得の無い人にも分かりやすく配慮された説明に、集まった聴衆は深く聞き入りました。

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  翌24日(日)には、2日目の講演「日本の喫茶文化」を開催。禮次朗様は1日目と同様に杉浦館長の紹介で登壇され、喫茶文化が日本に招来してから利休の登場まで、茶道具の展開も取り上げながら文化史・美術史的側面を紹介。茶の湯への考察を深められる踏み込んだ内容に参加者は熱心に耳を傾け、講演後には質問を希望する人々に禮次朗様が囲まれる場面もありました。2日間の講演は合計約220名の参加のもと、盛会のうちに終了しました。

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  講演が開催された2日間、プティ・パレ美術館の南パビリオンには呈茶席が設けられ、合計約550名の講演参加者および美術館来場者が、日仏の友好を意識した設えの会場で、お茶とお菓子を通して日本の伝統文化を体験しました。

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