東中国地区地域交流大会2011inたかはし



  11月12日(土)・13日(日)、岡山県高梁市において、千 宗室家元夫妻、千 万紀子さん、伊住公一朗氏、伊住禮次朗氏を迎え、「東中国地区地域交流大会2011inたかはし」(主管:備北支部)が開催されました。
  本行事は淡交会東中国地区が取り組んでいる「いつでも どこでも どなたにも一碗を」運動と、青年部の「私の一碗」運動を通じて「おもてなしの心」を地域社会に伝えていくことを目的に、高梁市、(学)順正学園、高梁商工会議所、(社)高梁青年会議所、国際ソロプチミスト高梁等と一般市民の働きかけにより実現しました。




●頼久寺献茶式
  12日午前11時、頼久寺(岡山県高梁市)本堂において、家元の奉仕により献茶式が執り行われました。
  式には、板倉家19代当主 板倉重徳氏をはじめ約250名が参列。厳粛な空気の中、家元が板倉勝静公に一碗を謹点されました。
  板倉勝静公は、徳川家茂公、慶喜公が将軍の時に老中を務めた備中松山藩第6代藩主で、陽明学者・山田方谷を抜擢して藩政改革を行い成功を収めたことで知られています。
  また、頼久寺は暦応2年(1339)足利尊氏が再興し、備中の安国寺と号した臨済宗永源寺派の寺院です。




  献茶式に際して、呈茶席(倉敷支部・笠岡支部・福山支部担当)が設けられ、参列者に一碗が呈されました。




●地域交流大会“2011 in たかはし”

 家元特別講演
  午後2時から順正学園体育館において、『満足八分目』と題して家元が講演されました。
  講演に先立ち、若林昭吾東中国地区地区長、大会主管支部である備北支部の立木大夫支部長(大会委員長)の挨拶がありました。
  登壇された家元は、「今ここに無いものを欲しがるのではなく、自分の力で手の届く範囲でまかなおうと思う事でゆとりが生まれ、満足感が生まれます。そうしたことから自分の街をより知ろうという気持ちに繋がるのです」と語りかけられました。


若林地区長挨拶 立木支部長挨拶




 茶の湯と地域文化を語る座談会
  特別講演後、家元と近藤隆則高梁市長(備北支部顧問)、加計美也子順正学園理事長による鼎談形式で「茶の湯と地域文化を語る座談会」が行われました。
  加計理事長が「若い人たちが日本文化を学びたいと思った時に、我々大人はどう対応すればいいのでしょうか」との質問に、家元は「関心を持とうと思った瞬間からすでに学びは始まっています。大人の役目は、そうした若い人たちに手を差し延べ、学ぶきっかけはどこにでもあるのだということに気付かせてあげることではないでしょうか」と応じられ、聴講する学生たちにとっても大変有意義な時間となりました。




 呈茶席
  会場となった順正学園体育館には、地区知新会、東中国ブロック青年部、学校茶道(吉備国際大学、新見公立大学、高梁高等学校、吉備高原学園高等学校、岡山県共生高等学校)の皆さんが呈茶席を設けました。
  会場のいたる所を竹で被い竹林をイメージさせるなど、工夫を凝らした席づくりで参加者をもてなしました。




●お家元を囲む懇親会
  午後5時半より、高梁国際ホテルにおいて懇親会を開催。家元夫人の挨拶の後、石井正弘岡山県知事(岡山支部顧問)、近藤隆則市長、板倉重徳氏が挨拶。逢沢一郎衆議院議員(岡山支部副支部長)の発声で乾杯を行いました。
  備中松山踊りが披露されるなど、懇親会は和やかに進行。家元は各席を廻り記念撮影に応じられました。
  最後は樋口満氏(備北支部顧問)の中締めの挨拶で締めくくられました。


家元夫人挨拶


石井知事挨拶 近藤市長挨拶


板倉氏挨拶 逢沢議員による乾杯


樋口氏による中締め挨拶 備中松山踊り


●街かど茶席
  大会期間中は、新島襄ゆかりの高梁キリスト教会堂など、市内各所に東中国地区内各支部が茶席を設け、大会のテーマでもある「いつでも どこでも どなたにも一碗を」運動を実践しました。
  初めて抹茶を味わうという親子連れなど1,300名を超える人々が訪れ、お茶の飲み方を教わりながら一碗を楽しんでいました。


12日:高梁キリスト教会堂(備北支部担当) 13日:武家屋敷(尾道支部担当)


13日:商家資料館(西大寺支部担当) 13日:高梁総合福祉センター(玉野支部担当)


●交流茶席
  翌13日、頼久寺において濃茶席(備北支部担当)と薄茶席(津山支部担当)が設けられ、家元一行も足を運ばれ多くの高梁市民の皆さんと共に心尽くしの一碗を楽しまれました。


濃茶席(備北支部) 薄茶席(津山支部)