『茶道裏千家徳之島宗磨会』が記念茶会
 
―南海の徳之島で裏千家茶道の普及30年―


  2月10日、『茶道裏千家徳之島宗磨会』〈代表 津(わたり)宗磨氏:淡交会鹿児島支部〉の設立30周年を祝した記念茶会が、鹿児島県の徳之島町文化会館で行われました。
  当日は、島内からだけでなく鹿児島県や奄美大島、沖縄県の淡交会会員ら約300人が駆けつけ、一碗のお茶を味わう和やかな一日となりました。
  同会は、鹿児島在住の津氏が“故郷の徳之島で裏千家茶道を普及させたい”という思いから1971年(昭和46年)に設立。津氏は自らの茶道具を持参して最初の2年間は毎月10日間、続く8年は毎月7日間、その後20年は年3、4回渡島し、後進の指導を続けました。会員の輪は年を追って広がり、現在、会員は高校生から70歳代まで約50人ですが、島外へ転出した人も含めると約160人が津氏から茶道を学んでいます。初釜や夏の納涼茶会、秋の茶会など、島民を招いて年に3回のお茶会に交流を深めています。
  徳之島町文化協会は、同氏の30年間の奉仕活動を称えて一昨年11月3日に表彰。これを受けて同会が30周年を機に、御礼の意味も込めて今回の茶会を催すことになったもの。
  当時を振り返って津氏は「茶巾も何もないところからの出発なので物心ともに大変でしたが、島民のみなさんにやさしく助けていただきました」と述懐。続けて、「徳之島で蒔いた裏千家茶道の種は見事に芽生えており、これからも徳之島の茶道文化を絶やすわけにはいきません」と今後も裏千家茶道の普及への意欲を話されました。


記念茶会の席でお客様に説明する津氏 徳之島町文化祭での表彰式